登山学校レポート│岩場の織りなす絶景。北アルプス最高峰・奥穂高岳登山

「WIN THE SUMMIT ACADEMY 2024-2025 コロンビア登山学校」の第5回、奥穂高岳登山が9月14日から16日の3日間で行われました。トップガイドから高所登山の心得を学びながら、難しい岩稜帯が連続する国内第3位の高峰に挑んだ講座の様子をレポートします。

第5回の舞台は、北アルプスエリアの中でも登山者憧れの山と名高い穂高連峰。穂高連峰は、長野県と岐阜県の境界付近に位置しており、主峰である奥穂高岳をはじめ、涸沢岳、前穂高岳、北穂高岳、西穂高岳などいくつもの岩峰が連なっています。

今回は北アルプスの登山口である上高地から入山し、涸沢を経て奥穂高岳へ登頂する2泊3日の行程。ガイドを務めるのは、コロンビア登山学校の学長・国際山岳ガイドの近藤謙司さんです。

参加者の皆さんと上高地インフォメーションセンターで合流。北アルプスには何度か足を運んでいるという方から普段は低山中心で上高地には初めて来たという方まで経験の異なる3名が参加してくださいました。皆さん本格的な岩稜歩きは初めてということで、これから始まる登山に期待と不安の入り混じった表情でした。早速装備を整えて出発します。

上高地インフォメーションセンターから少し歩くと上高地の有名スポット「河童橋」に到着しました。奥にはこれから向かう穂高連峰が見えています。

河童橋を渡り、明神館へ向かいます。道中は木道が整備され、非常に歩きやすく、脇を流れる梓川の清流が気持ちのいい景色を見せてくれます。

河童橋から1時間ほどで明神館に到着しました。小屋の後ろにそびえる明神岳の朝焼けが美しいことから「朝焼けの宿」という別名もついています。
明神館では水分補給と軽い休憩をとり、そのまま徳澤園を目指します。

この日は天気も良く、半袖でちょうど良い気温でした。上高地の自然遊歩道は24年7月の大雨で土砂流入などの被害にあい、一部の歩道が通行出来なくなっているため、注意が必要です。

明神館から1時間ほど林道を歩くと徳澤園に到着しました。「みちくさ食堂」では、ドリンクや軽食から野沢菜チャーハン、手作りカレー、窯焼きピザなど様々なメニューが提供されています。
皆さんソフトクリームとドリンクのセットを頼み、熱くなった身体をクールダウンさせていました。

徳澤園からほどなくして横尾山荘に着きました。ここは槍ヶ岳方面と涸沢方面の中継地となっており、多くの登山者が足を休めていました。上高地から約3時間、お腹も空いた頃なので昼食と長めの休憩を取ります。

昼食を取ってリフレッシュした後、いよいよ本日の目的地涸沢ヒュッテへ向かいます。

涸沢への道中では、左手に大きな岩壁「屏風岩」がそびえています。そのピークは屏風の頭と呼ばれ、アルパインクライミングの名所でもあります。
近藤ガイドの説明を聞いて、「こんなところ登れるんだ」と驚く参加者たち。

途中休憩を挟みながら、少しずつ登っていきます。ここまでかなりの距離を歩いていますが、皆さん奥穂高岳に挑戦されるだけあって、まだまだ余裕な表情です。

少しずつ登山道に石や岩が増え、足元が不安定になってきました。近藤ガイドの指導のもと、明日に備えて岩稜歩きの練習をします。

「大きい段差を使わずなるべく小さい段差を選んで歩く」
「着地は地面と平行にフラットフッティングで」

皆さん近藤ガイドが足を置いた場所をたどりながら進んでいきます。

本日の目的地涸沢ヒュッテに到着しました。少し遅い時間の到着となったため、宿泊する部屋で荷物を整理していると、すぐに夕食の時間がやってきました。

涸沢ヒュッテの夕食はお肉とお魚、お野菜などバランスの良いメニューで、長い登山で疲れた身体を癒してくれます。

夜は、山を始めるきっかけや印象に残った山などの話で盛り上がり、近藤ガイドによるミニロープワーク講習も行われました。ロープワークを習得することで、登山の幅を広げていきたいと皆さん興味津々で話を聞いていました。

明日はいよいよ奥穂高岳山頂を目指します。ハードな行程に備え、身体を休めるためにこの日は全員早めに就寝しました。

翌朝はあいにくの雨となりましたが、出発予定時刻には雨も少し落ち着いたため、全員レインウェアとハーネス、ヘルメットを装着し涸沢ヒュッテを出発しました。

雨で濡れた岩に注意しながら、前日に教わった岩場の歩き方を実践しながら登っていきます。

参加者の一人が着ていたコロンビアのレインウェア。コロンビア独自の防水透湿テクノロジー「オムニテック」を使用しており、雨風を防ぎつつ、行動中の蒸れを軽減してくれます。

涸沢から穂高岳山荘に向かう途中には「ザイテングラート」と呼ばれる急峻な岩場があります。足だけでなく手も使いながら、一歩一歩足場を確かめて登っていきます。
前日から降った雨で岩場が濡れており、滑らないように細心の注意を払う必要がありました。

ザイテングラートを登りきると穂高岳山荘に着きました。小屋の中ではストーブが焚かれ、温かい飲み物が雨で冷えた身体を温めてくれました。

小屋を出ると、いよいよ山頂へのアタックが始まります。奥穂高岳山頂までのルートは、崖に設置されたハシゴや切り立った岩稜を登っていく必要があります。

危険な場所では、近藤ガイドがロープで確保を取り、皆さんが安全に通過できるようサポートします。

ついに奥穂高岳登頂です。「雨風の強いこの悪天候で登頂できたのは凄い!」近藤ガイドの言葉に、皆さんこの日一番の笑顔を見せてくれました。

登頂の喜びを噛みしめながら、涸沢ヒュッテまで下山します。下りは登りよりも滑落事故が起こりやすいと言われており、最後まで気を抜かないように注意して歩きました。

目標だった奥穂高岳に登頂し、お互いの頑張りを讃え合いながらの夕食は格別でした。

最終日の朝は、前日までの雨が嘘のようにすっきりと晴れ、朝日が穂高連峰を照らしました。
朝焼けで山々が赤く染まる現象は「モルゲンロート」と呼ばれ、見る人を魅了します。

昨日登ったルートと穂高連峰をバックに一枚。

初日と同じルートで下山します。

途中の徳澤園では念願のピザを食べました。上高地まであと少しです。

上高地に到着し、下山完了です。
下山後は皆さんで上高地食堂の横にあるコロンビア上高地フィールドストアに立ち寄り、コロンビアのテクノロジーが詰まった商品たちを一緒に見ました。


「本当に登頂できると思っていなかった、自分一人では諦めていた」「人生で印象に残る三日間だった」と語る参加者もおり、皆さんの今後の自信に繋がる登山だったと感じました。

コロンビア登山学校は2024-2025シーズンで全10講座開講。「山のスキルを磨けば、山頂はもっと近くなる」をテーマに、登山の基本を学ぶ講座からテント泊、ロープワーク講習、雪山登山まで様々なプログラムが用意されており、興味のある講座に1講座からご参加頂けます。

皆さまのご参加お待ちしております。

企画:株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン

運営・協力:株式会社アドベンチャーガイズ

コロンビア上高地フィールドストア

作成者情報

垣木 啓太郎
コロンビア 石井スポーツリンクス梅田店
大学時代は探検部の部長として、登山、トレイルランニング、ラフティング、ロードバイクなど様々なアウトドアを経験。アウトドアの魅力をより多くの人に知ってもらいたいという思いでコロンビアへ入社。持ち前の知識と経験を活かして、お客様の楽しいアウトドアライフを後押しできるよう日々店頭に立っております。
どんな些細な悩みや相談でも構いません、是非一度店頭に足を運んでみてください!専門知識を持ったスタッフがご来店をお待ちしております。興味のある方はインスタグラムも覗いてみてください!
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