アスリートがハイクで旅した、幻の熊野古道 -奥辺路(おくへち)-

今回の着用アイテムと登山装備

【ウェア】
3人のベースウエアはマウンテンハードウェアの『Mountain Speed』コレクション。トレイルランなどアクティブなシーンに最適な通気性と速乾性を備えた軽量の商品をラインナップしている。

▲山を駆け抜ける軽量速乾Tシャツ『マウンテンスピード T』6,600円(税込/販売終了した商品です)

▲肌寒い日や稜線での保温着としてバックに忍ばせたい裏地付きマウンテンジャケット『コアエアシェルウォームジャケット』26,400円(税込/販売終了した商品です)

【登山装備】
今回の山行での3人の登山装備を紹介。プロの装備選びには、快適な登山へのTipsが詰まっている。

<中川さん>
「今回は自分がホスト役で二人を案内することもあって、予備的な装備も含めて用意しています。ファストハイクだからと荷物を無理に軽くするのではなく、必要かもしれないものは持っていくようにしていますね」
①バックパック
②スリーピングマット:ウレタンの折り畳み式。160cm程度のサイズ。「断熱仕様で温かく柔らかいものを選んでいます」
③トレッキングポール:常に使うわけではないが、人を案内する際は必ず持参する
④ダウン(上下):Ghost Whisperer UL Jacket/Pants。朝夕冷え込むので、下半身も暖かく
⑤ソフトシェルパンツ:AirShell Pant。風が吹いてショーツだけでは寒いときや、休憩・就寝時に。「軽くて動きやすく、脱着しやすいパンツが1枚あると便利です」
⑥水筒
⑦熊スプレー:今回のルートはクマの生息域。バックパックのサイドポケットなどすぐ取り出せる場所に入れて携帯
⑧テント:Nimbus UL1テント。「抜群にかるいだけじゃなく、天井高があって居住性もいいテントです」
⑨スリーピングバッグ:Phantom 30F/-1C Reg。コンパクトなダウン製
⑩レインウェア上下:軽くてコンパクトなものを持参
⑪ファーストエイドキット:ガイド時は捻挫用のテーピングテープ、固定用ゴムテープ、記録用のペン・メモ帳、薄手の手袋、傷テープなど多めに持っていく
⑫ポイズンリムーバー:すぐ取り出しやすい雨蓋などに入れる。⑦熊スプレーも含め、山深いエリアなので動物事故の可能性も考慮した装備
⑬ヘッドライト:必要な光量がありながらもまぶしすぎない、黄色系の光のものが好み
⑭サングラス
⑮ポーチ:ゴミ拾い・安全登山啓発を兼ねたポーチ。「見えるところに着けて持参します」
⑯バーナー・ガス缶:同行者の予備もかねてガス缶は2缶
⑰デジタルカメラ
⑱鍋・フォーク・スプーン:2種類同時に鍋に入れて食べられるよう、鍋は2つ
⑲ライト:懐中電灯としてもランタンとしても使えるテント場アイテム
⑳コーヒーグラインダー:コーヒーは必ず持参し、同行者にもふるまう
21 食器・食料:パスタなどが定番
22 コーヒー豆・カップ:自宅で焙煎までこなす。中川さんが焙煎するコーヒーは深煎りで飲んだ後も香りが残る。「余韻を味わったり、香りと共に歩き出したり。コーヒーがある山の時間を楽しんでいます」
23 コーヒーフィルター

<上野さん>
「普段より長い距離を歩くので削れるものは削りつつ、ダウンやスリーピングバッグ、ライト類などは軽量化にこだわり過ぎず、快適さも考慮しています」 ①バックパック
②ダウンジャケット:Ghost Whisperer UL Jacket。朝晩の冷え込みに備えてある程度の保温力があるものを
③ソフトシェルパンツ:AirShell Pant。「履いてないかと思うほどの軽さ。肌ざわりもよく、行動中も快適に履いていられます」
④エマージェンシー装備:ファーストエイドキットのほか、針金、テープ、超軽量のウィンドジャケット、交換用の電池などを入れる
⑤トイレットペーパー・歯ブラシ
⑥手ぬぐい
⑦着替え:靴下、下着、Tシャツなどを
⑧行動食:チョコレートやエネルギーバーなどすぐに食べられるもの
⑨水筒:これ以外に、1Lの折り畳み水筒も
⑩ソーラーランタン:テント場での明かりに
⑪サングラス
⑫ナイフ
⑬ライト・ヘッドランプ:夜間行動なども考え、ライトは複数用意
⑭テント・エマージェンシーシート:シートはマットの下に敷いて地面からの冷気を防ぐ。「万一の緊急時にも活用できます」
⑮エアマット:全身をカバーする180cmサイズ
⑯スリーピングバッグ:「もう少し薄くてもいいのですが、就寝時に寒いと翌日の行動が負担になるのである程度厚手のものを用意しました」
⑰レインウェア上下:T3 Jacket/Pants
⑱食器
⑲調理器具:バーナーと鍋が一体になったもの。「冬は大きな鍋で調理することも多いけれど、今回は軽量化を優先しました」

<野村さん>
「普段やっているクライミングはギアの量が多いので、それ以外の荷物はなるべくコンパクトに。必要最小限のものをベースに考えています」
①バックパック
②ダウンジャケット:Ghost Whisperer UL Jacket。「風もあって体温が落ちやすい環境で活躍してくれました」
③Tシャツ、ソフトシェルパンツ:「肌触りがよく、ストレッチもあって動きやすいパンツでした」
④食料・行動食:「しっかり食べたい方なので、食べ応えのあるものを持っていきます」ラーメンや青さ汁にお餅を入れるのがお気に入り。食事をしっかりとるので行動食はカロリーバー程度
⑤カラビナ2枚・60cmスリング:「スリングとカラビナがあれば荷物を固定したり、緊急時にもいろいろな使い方ができます」
⑥水筒:計1・4L程度。「運動量も多く、寒暖差も多くて下りは暑かった。水の量はもう少し余裕を持っておいた方がよかったと反省点です」
⑦テント:Nimbus UL2テント。「軽く、コンパクトなのでほかの荷物を制限しなくていい。クライミングでも使いたいですね」
⑧スリーピングバッグ
⑨エアマット:荷物に余裕があるときはさらにウレタンパットもプラスすることもあるが、今回は省略
⑩防風ジャケット:「ダウンの上に着て風を防ぐ際に活躍しました」
⑪ガス缶
⑫鍋:「調理器具はいろいろ持つと荷物がかさばりがち。鍋ひとつで完結させます」
⑬シエラカップ・はし・バーナー・ライター
⑭ヘッドランプ
⑮サングラス

PROFILE

中川政寿(なかがわ・まさとし)/トレイルランナー 京都・和歌山の二拠点でトレイルランニングツアーなどを主催。和歌山県・龍神村ではハイカーや地域住民とも協力し、トレイル整備や地域おこし活動に従事する。

上野岳光(うえの・たけみつ)/テレマークスキーヤー 地元である長野県・野沢温泉村を拠点に、冬はバックカントリーツアー、グリーンシーズンはマウンテンバイクのガイドとして活動。年間滑走日数は100日を超える。

野村英司(のむら・えいじ)/ロッククライマー ボルダーやマルチピッチクライミング、クラックなど幅広いジャンルで活躍する注目の若手クライマー。特にハイボルダーを得意とし、海外での実績も豊富。

INFORMATION

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Text:川口穣
Photos:小関信平