コロンビア製品を知り尽くした登山ガイド・伊藤伴が教える、 登山の“三種の神器”の使い方 ①シューズ

登山において“三種の神器”と呼ばれる「シューズ」「バックパック」「レインウェア」のHOW TOを、その道のプロが紹介する企画。レクチャー役を務めるのは選び方を紹介した前回に続き、日本山岳ガイド協会認定の登山ガイド&コロンビアアンバサダーとして、実際にコロンビア製品を使用する伊藤伴(いとうばん)さん。使い方のレクチャー第1弾は、登山を安全かつ快適に楽しむために重要な「シューズ」です。正しい靴紐の結び方や、登山における基本的な歩き方を紹介します。

登山の三種の神器 ①「シューズ」の使い方

「コロンビアの登山靴は大きく分けてローカット・ミッドカット・ハイカットの3種類があり、それぞれの特徴と選び方は前回の記事で紹介しました。初めてのトレッキングシューズにもおすすめなのが、今回履いたスティーンズピーク。足首までしっかりとサポートするミッドカットで、ほどよい柔らかさがライトアウトドアからトレッキングまで最適な一足です」(伊藤)

▲伴さんが普段から愛用している『スティーンズピーク アウトドライ』

〈PICKUPモデル〉

『スティーンズピーク アウトドライ』

▲『スティーンズピーク アウトドライ(メンズ)』¥17,930(税込)(左)、
スティーンズピーク アウトドライ(ウィメンズ)』¥17,930(税込)(右)

コロンビアの登山靴・トレッキングシューズ一覧

登山におけるシューズの正しい履き方&靴紐の結び方

「まずはじめにサイズ選びですが、登山では長時間の歩行や疲労により足がむくむこともしばしば。そのようなシーンも想定し、つま先に1cm程度の隙間をもたせられるサイズを購入することがおすすめです。シューズ内に隙間がなくピッタリの状態だと、どうしても下りのときなどにつま先が靴の先端に当たって痛みや怪我の原因になるので、サイズ選びにも気をつけてください。続いて正しい履き方ですが、意外と見落としがちなポイントとして、まずはちゃんと靴下を履くこと。シワやたゆみがなく、正しい向きで靴下を履けているかチェックしてみてください。例えば、靴下にシワがある状態で歩き続けると、シワ部分が足に当たって不快感を招きます。登山ではこのような小さな不快感の積み重ねが、大きな疲労感や怪我につながるため注意しましょう。最後に靴紐の結び方ですが、つま先から履き口にかけて均等に締めることで足がずれにくくなり、靴擦れやマメを防げます。また、ミッドカットやハイカットのシューズの場合、履き口部分にフックを採用しているモデルがあります。そのような場合、フックに対して上から下に靴紐を通して結ぶと、緩みにくくなるのでぜひ試してみてください」(伊藤)

▲つま先から履き口にかけて均等に締める

▲最後のフック部分は、靴紐を上から下に通して結ぶことで、靴紐同士がクロスする形になり、緩みにくくなる

登山における基本的な歩き方“フラットフッティング”

「歩き方は登り下り共通で、基本的にはフラットフッティングといって、足の裏全体を同時に地面に付ける歩き方がおすすめです。足をかかとから地面に付けて、つま先から離れる通常の歩き方と比べると、地面との接地面が増え、その分摩擦力が増し、傾斜のある環境でも滑りにくくなります。そのためには、歩幅は狭くするのがポイント。ただし、登山におけるすべての場面で、フラットフッティングを必ず意識してくださいというわけではありません。自分の技術・道具・コンディションなどを総合的に見たときに、ここは滑りそうだなと思ったらより意識してください。例えば冬山では滑落停止のやり方を覚えましょうとよく言いますが、それよりも滑落をしない歩き方、つまりフラットフッティングを覚えていることの方が重要です」(伊藤)

▲フラットフッティングでは足の裏全体を同時に地面に付ける

▲足をかかとから地面に付けて、つま先から離れる通常の歩き方だが、登山ではNG例

正しいシューズの使い方で、快適に登山を楽しみましょう!”

登山においてアップダウンの多い場所では、ミッドカット以上のシューズを選び、正しい履き方と靴紐の結び方で、フラットフッティングを意識して歩くことが大事! コロンビアスポーツウェアジャパン公式Instagramでは、本企画のリール動画を公開していますのでそちらもご覧ください。次回はバックパック編をお届けします!

Text:ラスカル(NaNo.works) Photos:大石 隼土