釣り好きが注目するコロンビアのフィッシングライン 〈SHOP②〉『WED STORE』(下北沢)
続いて我那覇さん&鈴木さんと訪れたのは、都内で古着屋と言えば必ずといって名前が挙がる街、下北沢。この街にある『WED STORE』は、新品と古着をミックスしたストリートスタイルを提案するお店として、オープン当初からアメリカ現地で買い付けを行った本場のこだわりのアイテムをラインナップ。さらに近年は、釣り好きのオーナー・原さんがオリジナルで開発しているフィッシングウェアなども人気を呼んでいます。 そこで今回は、釣りという共通項からコロンビアのPFGシリーズのアイテムをご紹介。自身も釣りを愛し、ベストなども開発している原さんならではの視点で、コロンビアのビンテージの魅力を探っていきます。コロンビア PFGフィッシングベスト+ジャケット(90年代)
原さん:これは別々で買い付けましたが、どちらもPFGで、ベストの丈が短いのでおそらく当時はセットでの販売だったのではないかなと。ベストはよく出ますが、PFGのジャケットはほとんど出回らないですね。 我那覇さん:PFGのシャツやベストはよく見ますが、ジャケットは初めて見ました。 原さん:レインウェアみたいなテイストですが、本当に出回っていなくて。中に丸い通気口があるディテールもめちゃくちゃいい。これはもっと古い年代に別のブランドでもたまにあったギミックですね。あとロゴがかなり控えめなので、重ね着が前提というか、単品で売っているわけではないのかなと思いました。 鈴木さん:女性や小柄な男性が着るのに良さそうなサイズ感ですね。あとカラー的にもベージュとネイビーの落ち着いた組み合わせは着やすそう。 我那覇さん:原さんは釣りをされるということですが、首の後ろにあるフックは何用ですか? 原さん:元々は魚をすくう“タモ”とかを引っ掛ける用だったりしましたが、僕はわりとここにカラビナを付けてクルマのどこかに引っ掛けたりするので、今だとそういう使い方が多いかもしれませんね。コロンビア PFGフィッシングベスト(90年代)
我那覇さん:先ほどのコットンとこのメッシュで、釣りのときはどう使い分けますか? 原さん:ベストは鞄を背負っているのと似ていて、先ほどのベストだと夏の釣りは暑いので、その場合はこういったメッシュ素材だと通気性はいいですね。あと僕は自分で生産もしているので、そういった視点で見ると、首元のメッシュの素材感はめちゃくちゃカッコいいですね。そういうのも含め、自分が作るにあたってのディテールのサンプルソースとして、コロンビアのアイテムを集めている部分はあります。 我那覇さん:このデザインで現行はないですね。似ているものでいうと『グリーンパインズベスト』、もしくは『ヴィドラIIIベスト』があるかなという感じですが、個人的にメッシュは見たことなかったですね。 鈴木さん:ベストはけっこう最近は釣り用じゃなくて普段用で着る方も増えていて、フェスとかで若者が着るのもよく見かけるようになりました。中でも現行のアイテムではなく、古着でコロンビアのベストを探して着ているオシャレな方も多いみたいですね。これは背中のポケットも大きくて便利そう。 原さん:ここに僕は着替えを入れたりします。あと個人的にベストはLサイズやXLサイズを集めていますが、あんまり出回らずMサイズがほとんどで、カラーはベージュなどが多いですね。 我那覇さん:コーデ的にベストは便利だと思います。例えばタウンユースでベストと同色のパンツを合わせてセットアップのように着られるし、自転車に乗るときなどもポケットがたくさんあるのでいいのかなと。 鈴木さん:女性だとオーバーサイズのパーカーとか、カラフルな色物に合わせたりするとかわいいかも。 原さん:けっこうベストを着こなすのはコーデの中で上級者ですが、例えばうちのお客さんの中にはモッズの下に内ポケット的に着たり、逆に上に着たりするオシャレな方もいましたね。コロンビア PFGフィッシングジャケット(90年代)
原さん:このジャケットもPFGですが、これもなかなか出ないですね。テイストとしてはベストの要素を取り入れたポケットの多いジャケットです。あと、この当時はこういった切り替えのディテールがほかのブランドでも流行っていて、フリースとの組み合わせもよくありました。現行のアイテムではコラボものなどで似たデザインのジャケットが出ていると思いますが、その元ネタになっているようなモデルだと思います。 我那覇さん:胸元のポケットのフックが横に付いているのは珍しいですね。今のだと下だと思います。 原さん:そうですね。わりとこれに関しては、横だとテンションがかかって引っ張られちゃうので、下の方がいいのかなと。でもこの時代のアイテムだと横に付いているのも多いので、それはこのときならではですね。 我那覇さん:あと似たデザインのベストに白いモコモコのようなものが付いていることもあって、釣りをするときに糸とかを掛けたりすると聞いたのですが、実際にそうやって使いますか? 原さん:これはフライフィッシングなどで毛針を刺しておく用ですね。今だとマジックテープの着脱式もあります。全体を通してコロンビアのPFGは、釣りのジャンルにおいては確立されているラインですが、ただ自分はPFGに関しては古ければいいというわけではなく、00年代以降の最近のアイテムも好きですね。 釣りおよびフィッシングラインを熟知した原さんならではの視点から、コロンビアのビンテージPFGの特徴をレクチャーしてもらいました。そんな原さんにとってコロンビアの魅力とは? 原さん:僕の買い付けはポートランドがベースで倉庫も向こうにありますし、コロンビア発祥の地なので昔からよく買い付けていました。コロンビアのPFGはフィッシングウェアとして古くから確立されたシリーズなので、同じくフィッシングウェアを作っている自分にとっては憧れのブランドです。町田、代々木上原〜下北沢に続く第3弾にも乞うご期待!
代々木上原〜下北沢の2店舗を巡り、コロンビア×ビンテージの魅力を知った我那覇さんと鈴木さん。そんなふたりに、今回の企画を通して感じたビンテージの良さや発見などを最後に聞きました。 我那覇さん:私自身が古着好きなので、今回はコロンビアの魅力を古着屋オーナーさんとお話ししながら、起業から現在までの商品の歴史や、現行モノとビンテージの比較など、とてもタメになる楽しい時間を過ごすことができました。また、同行した鈴木さんの女性目線からの良さや魅力も聞くことができたので、接客などの際に役立てたいです! 鈴木さん:コロンビアの古着ならではの独自なカラーの組み合わせや、ディテールの意味などを深掘りしてお話を伺うことができてすごく勉強になりました。また、現行とはまた違った遊び心満載なデザインのビンテージウェアが、時代を経て今でも多くの人たちに愛されていることも知ることができました。PFGのフィッシングベストを釣りだけではなく、自転車に乗るときや銭湯に行くときなどにも使う人がいるということも聞き、私自身にとって新たな発見となったので、今後の接客にも活用していきたいと思います! 今回もコロンビアのビンテージウェアの魅力を、時代ごとの特徴的なギミックやカラーなど、さまざまな視点から深掘りできたショップ訪問企画。町田、代々木上原〜下北沢に続く第3弾にも乞うご期待! ※ソーシャルディスタンスを保ち、安全に十分に配慮した上で取材を行っています。 ※記事内で登場したビンテージ商品は、発売時の商品名と異なる場合がございます。INFORMATION
Text:ラスカル(NaNo.works) Photos: 大石 隼土