大自然の中で食べる“山ごはん”は、登山の楽しみのひとつ。澄み渡った空気や美しい景色とともに食べる時間は、それだけで特別なものです。今回はエベレストサミッターで登山ガイドの伊藤伴さんに、簡単に作れるお気に入りの山ごはんと、それにまつわるエピソードをインタビュー。コロンビア×カップヌードルのコラボアイテムもチェック!
登山は「アクティビティ」としての楽しみ方に加えて、慣れてきたら自然の中でごはんを食べる「グルメ」としての楽しみ方も定番! 大自然に囲まれながら、自分の好きな時間・場所で食べる“山ごはん”は、普段の食事とはまったく異なる味わいを感じられるものです。ただし登山初心者にとっては、「登山家や登山好きは、どのような山ごはんをいつも食べているの?」と思う方も多いはず……そこで今回は、エベレストサミッターとしての経歴を持ち、現在は登山ガイドとしても活動するさんと実際に山に登り、お気に入りの山ごはんと、それにまつわるエピソードを聞きました。加えて、伊藤さんのエベレスト登頂などをサポートした日清食品とコロンビアが、カップヌードルをテーマにコラボレーションしたアイテムの魅力などもご紹介します。
▲伊藤伴さん
普段の何倍も美味しく感じられる──山ごはんの不思議と魅力
WITH OUTDOORで前回お届けした「登山×サウナ」企画に続く今回の「山ごはん」企画の舞台は、山梨県・奥秩父山塊エリアの最南端にある滝子山(たきごやま)。保水力の高さから森が豊かな通称“水源の山”は、最寄りにJR中央本線の笹子駅があるため電車でアクセスしやすく、出発点の道証地蔵(みちあかしじぞう)登山口からは、歩きやすさと景色の良さを兼ね備えた初心者向けのコースが人気です。




▲今回用意したのは、日清カップヌードル、チャーシューチャーハンのおにぎり、炙りベーコン、刻み白ねぎ、醤油、こしょう
伊藤さん:日清さんにはエベレスト登頂のときのチームや、僕が所属している山のガイド協会などもサポートしていただいているので、これまでベースキャンプでも日清のカップヌードルをいっぱい食べてきました。あとは『マグヌードル』、『カレーメシ』とかも好きですね。海外にもインスタントラーメンは売ってますが、やっぱり味が違うので、ベースキャンプでは日本のカップラーメンの味が食べたくなります。







我慢して頑張って登ったあとに食べる山ごはんは、まるで“ご褒美”
山ごはんを食べたあとはしばしの休憩。ここで伊藤さんに、これまでの登山の中で印象に残っている山ごはんのエピソードや、それらを通して感じる山ごはんの醍醐味などについて聞きました。


▲2016年に20歳でエベレストに登頂し、日本人最年少登頂記録を樹立。
伊藤さん:まずルートから説明すると、エベレストのときは前半と後半の2パートに分かれていました。距離的には前半が長くて2,800m地点まで飛行機で行き、そこから5,400m地点のベースキャンプまで2週間かけて歩いて行きます。そしてベースキャンプから8,000mまでが、みなさんの想像するような氷や岩や雪に包まれた世界。そこで2週間ぐらいは天気やルート工作待ちをしながら体を順応させて、1週間ぐらいで山頂まで登ります。ほとんどの滞在では、実は同行のコックさんがいて、あとヤクっていう大きな牛やポーターと呼ばれる荷物運びの方が僕らの1ヵ月分の荷物を運んでくれる。そこに日本食が大量に積んであって、日本食を食べたことのないコックさんが、お好み焼きとかすき焼きを作ってくれるんですよ。それで僕らはだいぶリフレッシュできました。ただコックさんが来られない地点まで行ったあとの1週間から10日ぐらいは、先ほど言ったようなアルファ米や、クッキー・チョコレート・ゼリーを食べながら登っていきます。プロの登山家たちと挑む過酷な登山から、ガイドとして一般のお客さんたちと楽しむ登山まで幅広い経験を持つ伊藤さんは、山ごはんの魅力と重要性を誰よりも理解している存在と言えるでしょう。 伊藤さん:我慢して頑張って登ったあとに食べる山ごはんは、まるで“ご褒美”のように感じられます。あとは山で豆を挽いて飲むコーヒーもやっぱりすごく美味しい。僕はドリップコーヒーが好きなのですが、お湯を沸かすところから始めるその手間も好きだし、登りながら「どこでおいしいコーヒーが飲めるかな」と考えるのも楽しい。僕自身、山にはあえて“手間”や“不便”を楽しみにいっているところはありますね。都会へ戻るといろいろ便利だなと思いますけど、また“手間”や“不便”を求めて、それらを楽しみに山へ行くんです。
