Episode
03
それぞれのスタイルで、雨の日を自由に楽しむ。
アーバンスポーツアスリートが語るレイニーライフ
今、ストリートシーンで注目を集める5人のアーバンスポーツアスリート:ブレイクダンサーSteezさん、ビートボクサーTatsuyaさん、BMXライダーTamaru Naotoさん、パルクールアスリートTaishiさん、ダブルダッチパフォーマーKO-YAさん。彼らが考えるそれぞれの魅力、雨との向き合い方、OUTDRY EXTREME(アウトドライエクストリーム)ウェアについて語っていただきました。
ストリートカルチャーで世界中とリンクする。
Tatsuya さん(以下、Tatsuya): 僕がやっているHuman Beatboxが面白いと思うのは、言語関係なく世界中の人と友達になれるという点ですね。僕は英語が上手なわけではないですが、海外で自分の技を披露することで色んな人と仲良くなれるんです。非言語ツールになるのが1つの武器ですし、その体験を経て人生の厚い壁を越えることができたように感じました。
Steez さん(以下、Steez): ダンスの中でも、もっとも個性を主張しやすいのが、オレのやっているBreak Danceです。ファッションも含めて人ぞれぞれのスタイルで自己表現できるのが魅力ですね。独自のスタイルをダンサーそれぞれが構築して、Tatsuyaと同様、ダンスを通じて世界中に友人を作ることができます。
Tamaru Naoto さん(以下、Tamaru): 僕がやっているBMXはフラットランドと言って平らな地面で行う競技で、ルールは足をついてはいけないということだけ。だから、どこででもやれちゃうし、パッと思いついたことを試したりできるんです。難易度が高い技をオリジナルで作ってもいい。そんな自由な発想で楽しめるのがBMXです。例えば、大会に出場したり、ひたすら技の習得に努力したりと限りなく挑戦し続けられるのが面白いんですよ。それに、2人と同様、ストリートスポーツの世界って仲間がすぐにできるのがいいですね。世界大会の時も海外の友達が家に泊めてくれたり、逆に日本に来た時は僕の家に泊めてあげたり。そんな風にカルチャーを通じて人と繋がっていけるのがストリートスポーツの1番の魅力だと思います。その繋がりがなかったら、今、僕はここにいなかったでしょうね(笑)。
KO-YA さん(以下、KO-YA): Double Dutchは2本の縄跳びで行う競技なので、当然ながら1人でやることはできないんです。だからこそ協調性が養われるんですよ。メンバー同士はもちろん、シーン全体が仲良いんです。パフォーマンス中も跳ぶ相手のことを考えていないと絶対にうまくいかないですし、イベントの後にチームメイトと飲みに行こうってなった時の団結力もすごかったりします。そんな風に集団で1つにまとまることができる力が自然と養われているのが魅力ですね。
Taishi さん(以下、Taishi): 選ばれた人にしかできない難しい競技だと思われがちなParkour(パルクール)なんですけど、実はすごくハードルが低いスポーツなんです。例えば、子供って自分の身体を使って押し入れからジャンプしたりして遊ぶじゃないですか。それと同じ理屈なんです。自分がやっているのは身体をカッコよく上手に動かしていくということにフォーカスして練習しているということで、身体1つあれば実践できるんだってことが魅力だし、それをもっと世間に伝えていきたいんです。
最高のパフォーマンスを見せるために、行っていること。
Tatsuya: 僕は自分がベストパフォーマンスを発揮できるように、なるべくフレッシュな思考になるようには気をつけています。集中し過ぎてしまうと視野が狭くなってしまうので、常にオープンマインドで真っ直ぐクリエイティブに向かえるように気を付けていますね。そんな風に気遣っていることってありますか?
Tamaru: オレも同じ感覚ですね。やっぱりチルアウトが重要なんですよ。自分にストレスをかけない時間を作るということは常々意識しています。
KO-YA: 自分がやっているDouble Dutchはロープを使って行うスポーツなので空間的な制限があるんですよね。その中でしか動くことができないというのが、時に窮屈に感じるんです。もちろん、ロープの中でしかできないパフォーマンスだからこそ、お客さんは興奮してくれるんですけども、そんな緊張状態に疲れてしまうこともあるわけです。そんな時はひたすらロープを跳ばない練習をするんですよ。オレの場合はダンスで、好きな音楽をかけて自分を解放するイメージで踊ってリフレッシュしていますね。
Steez: なるほど。KO-YAがやっているダンスでのリフレッシュは、アウトプットするためのインプットなんだなって感じた。そのために普段やっていることと違うことをやってみるっていうのはありかもしれないよね。オレもそうだけど、長く続けていると飽きてしまったりする瞬間が出てきてしまう。そんな時はBreak Danceからあえて離れる。まぁ、ダンス以外にずっと続けていることなんて多くないんですけど、夏はサーフィン、冬はスノーボードを楽しんで、自分が常にフレッシュな状態であり続けるように努力していますね。気分転換は必要なものなので。
Tamaru: そこでいくと、オレはすんごく思い詰めて考え過ぎちゃうタイプなんですよ。悩みまくって、ある程度自分の中で答えを出して、それでもダメだったら好きなことをやる。現状、BMXに乗らない日って週に1日しかなくて。だからオンとオフの切換えは大事にしなくちゃいけない。休みの日はチャリのことを忘れて、1日中寝たりゲームしたり、ハンバーガーを食べたり。
全員: Tamaruがハンバーガーを頬張ってるのって、なんか似合うね(笑)。
Tamaru: ですよね(笑)。もちろんお酒も楽しむし、オフの時は好きなことをやる。だけど、オンの時は常に考え続ける。昔はもっと境界線が曖昧で、ろくに練習していなかった時期もあったんですけどね。今は逆に考えに考えて自分の道を見つける時期なのかなって。こういう場で色んな人の意見をインプットしてまたアウトプットしてっていう。
Taishi: 結局、人間だから気持ちの面で浮き沈みがあるんですよね。メディアに出ている時はカッコいい姿しか見せないですけど、やっぱり心の陰と陽がありますよね。でも、そういう心の移り変わりって自分では気づきにくいものじゃないですか? 僕はスーパー銭湯やカフェに行って2時間くらいボーッと何も考えない時間を作るようにしているんです。そうすると今、自分の身の回りで何が起きているのか、どんな状況なのかが見えてきたりしてくるので。そんな風に意識的に自分のマインドをコントロールするようにしています。
雨をポジティブに受け入れる、それぞれの向き合い方。
Tamaru: みんなは雨の日は屋外で練習したりします?
KO-YA: ロープを濡らしたくないし、水を吸って重さが変わってしまうとスピード感も変わってくるからね。そんな日はミーティングの日にしています。色々と話さなくてはいけないことも多いですし、スケジュールのすり合わせもしなくてはいけないし。それでも時間がある時は、Steezさんがいるスタジオを借りて室内トレーニングをしたりもしています。
Taishi: 僕も同じですね。シューズが濡れたら怪我をするリスクが高まるので無理に練習をせず、仲間と屋内型のジムに行ったり、練習したくなったら練習したり。自由に動いて雨の日を楽しむようにしています。
Steez: うん、みんなと同様、基本的には室内でできるワークアウトを行っていますね。野外イベントでのパフォーマンス中に雨が降ってきてしまったら、それは仕方ないですけどね。そんな自然環境に応じたパフォーマンスを工夫して考えたりするのも、また面白いので。
Tamaru: オレはBMXを始めたばかりの頃は雨の日でも外でやっていましたね。路面が滑るんですけど、逆にそれがカッコいい!って。海外のビデオでも雨の中でトリックを決めているヤツらがいて、それがカッコいいんですよ。それで、オレも真似したくなったんです。イライラした時とか悩んでる時は雨の日でも走ったりする時もありますね。特に夏場だと気持ち良いし、スッキリするんですよ。
Tatsuya: 僕の場合は雨の中で普通に平気でやっています。というのも、Beatboxって雨音やシャワーのザーッてノイズ音の中にいる時がすごく集中できるんです。だから、雨の日はレインコートを着て散歩しながら練習することも多いです。イヤフォンをして、あえて音楽を流さずに外の音を少しカットした状態で歩いたりします。
自分らしくカッコいいスタイルかどうかが重要。
Tatsuya: 雨の日に外で練習する時に着るレインコートに関してはフードが大事ですね。深さや形が自分に合っているのかによって気分も変わってきます。そういう意味でOUTDRY EXTREMEはピッタリだと思う。
Taishi: 着やすいですよね。軽いし触り心地もやわらかいし。それこそ、フードの形もカッコいいです。
Tatsuya: 嬉しいのがストリートでも着れるレインコートってところ。そういうプロダクトって初じゃないですか? デザインもいいし。
KO-YA: そうですね。さっきTatsuyaくんとも話していたけど、フードの形がすごくいい。オレはこういうドレッドヘアなこともあって、髪を少し出してフードを被るスタイルが好きなんですけど、サイズとか形が重要なので自分向きのデザインだと思う。
Tamaru: 軽くて薄いから収納性も高いですよね。バックパックに入れてもかさばらないので持ち運びも楽だし、急な雨が降っても完璧に対応してくれる。大会に行く時は絶対に持っていくよ。
Steez: 脇下にベンチレーションがあって体温調整できるところも好印象だね。実際、みんなは普段、どんなファッションをしていますか?
Tatsuya: ステージでの格好と普段着はちょっと異なるんですけど、僕の場合は声を使った表現なので落ち着いた色味のブラックでシンプルにまとめています。髪型はアクセントで色味を入れて。Beatboxシーンにおける世界中の有名なアーティストは比較的、黒一色でまとめていることが多いんですよ。
Tamaru: 僕は普段とショーの時は、まったく同じファッションスタイルなんです。大事にしているのがサイズ感ですね。ちょっとビッグサイズが好きなんです。トリックをやるうえで大き過ぎるとやりにくいんですけど、カッコよくないと意味がないと思うので、やりにくくても、どうにか成功させるために努力してファッションではなく自分自身を変えていく感じです。
Steez: そう、カッコいいかどうかが重要だよね。オレも何を着るかよりもシルエットの方が大切。ビッグサイズの方がダンスの動きも大きく見せられてカッコいいし。世間的なトレンドも踏まえたうえで、自分のマイブームにも合わせて着る服を選んでいますね。動きやすさという機能面も重要なんですけど、カッコよさを1番意識しています。
Taishi: 僕らがやっているストリートスポーツにおいてはファッション性にこだわっていた方が絶対にいいですよね。僕の場合は90's HIPHOPを彷彿させるダボダボなサイズ感でParkourをするスタイルです。Parkourのプレイヤーはタイトめでスポーティーなファッションが流行っているんですけどね。新しいスタイルって、過去のアーカイブの組み合わせで作られていくと思うので、カルチャーとして過去にリスペクトを持って自分に取り入れていきたいと考えていて。
KO-YA: オレも90'sのファッションスタイルが好き。Taishiのスタイルは良い意味でParkourの荒々しさを表現していていいよね。
Taishi: そう言ってもらえると嬉しいです!
KO-YA: オレの場合は「今日、この曲で跳びたいから」っていう理由で、その日の服装を選んだりする。90年代の曲だから90'sのスタイルで、この曲のMVでカーキの洋服がキーになっているから自分もカーキ色の洋服で跳ぶ、という感じで。
Steez: それは面白いね。ファッションと音楽がリンクする部分は、やっぱり多いよね。BMXはあんまり音楽に合わせてファッションを変えることはないんじゃない?
Tamaru: そうですね、あまりないです。好きな音楽をかけて自分のモチベーションを上げるってぐらいですね。Steezくんが前にインスタグラムにUPしていた動画で、ダボダボのスウェットパンツにピチピチのタンクトップを着てワンムーブをかましているヤツがあるじゃないですか。あれがすごくカッコいいと思ったんですよ。気取らずにサラッと着ているのに、それが自然体でカッコいい。すごいですよね。本番の時も、あのスタイルで踊ったりしないんですか?
Steez: 気分によってはアリかなって。Break Danceの場合はちょっと特殊でステージに出る時は着替える文化があるからね。床を使う動きが多いからナイロンパンツを穿いたりもするし。タンクトップだと肩が擦れて痛かったりするから(笑)。だから普段通りではいかない部分がどうしてもある。やっぱり各々がやっている競技のジャンルによってファッションへの捉え方が異なってくるよね。その環境によって服選びもするし。それこそ天候に合わせたり、場面に応じたセレクトになってくる。
Tatsuya: そうですね。逆に、雨でこの服を着るっていう考え方も今までなかったから、OUTDRY EXTREMEのお陰で選択肢が増えたような感覚です。雨が降ったらコレで決まりだし、なんなら雨の日がちょっと楽しみになってきましたね。
全員: 確かに(笑)。
Profile
Steez さん
ブレイクダンサー
生まれ育った溝の口で18歳の時にブレイクダンスと出会い、21歳でダンスと語学習得のために渡米。所属するダンスチーム、The Floorriorzは、ドイツのブラウンシュヴァイクで行われているブレイクダンスの世界大会であるBattle of the Yearで2015年から2017年まで三連覇という偉業を成し遂げた。同時にCyphercodeというブランドをディレクションしている。
Tatsuya さん
ヒューマンビートボックスを操るアーティスト / プロデューサー
20歳の時に地元でビートボックスのライブを体験し、衝撃を受けたことが始まり。2009年に一般社団法人日本ヒューマンビートボックス協会を立ち上げ代表理事を務めている。国内最大級のヒューマンビートボックスのイベント、JapanBeatboxChampionshipではソロ、チームを合わせて日本で唯一の4年連続優勝を果たし、国際大会でも優勝を獲得した。
Tamaru Naoto さん
フラットランド プロBMXライダー
赤いキャップとゴールドチェーンがトレードマーク。12歳の時、日本を代表するトップBMXライダーの田中光太郎氏のビデオを見て衝撃を受け、BMXの世界へ。2014年には、アメリカで行われた世界大会 VOODOO JAMで6位を獲得しプロへ。現在は神奈川県寒川町にBMX FLATLAND 専用施設 FLAT PARK を師である内野洋平と共に運営をし、スクールやSHOWを行いBMX普及に力を注いでいる。
Taishi さん
パルクールアスリート
日本トップのパルクールチームmonsterpkに所属。2016年にラスベガスで開催された世界大会、WFPF Parkour Pro-Am Championship 2016のファイナリストに。同チームは2018年に国内最大規模パルクール専用施設、MISSION PARKOUR PARK TOKYOをオープンさせ、パルクールのカルチャーを広めるべく幅広い活動を続けている。
KO-YA さん
プロダブルダッチチームREGSTYLEリーダー
REGSTYLEは2015年に開催されたダンス+エンターテインメントのコンテスト、超DANCE@HERO GRAND FINALで優勝。日本発祥であり世界最大級のダブルダッチの祭典、DOUBLE DUTCH CONTESTでは2017年から2019年にかけて世界大会3連覇という偉業を果たした。その他、各種パフォーマンスや各種メディアに出演する。
MEETING
それぞれのフィールドと雨を語り合う