MESSAGE

小林 響 さん

空間演出家

全国各地で開催される野外フェス会場全体の空間演出を多数手がけている小林響さん。竹や流木、廃棄された物などを用いて独特の色使いで表現されるその空間は人気を集めている。

雨の中で作業していると、
謙虚な気持ちになってくる。

野外での制作に雨はつき物です。普段は雨具を3セット程用意していて、濡れたら替えたり、大雨の時は雨具を二重にしたりしています。
基本的には雨の中の制作活動は嫌なものです（笑）。ただ、雨具を着込んだ状態で雨の中作業を続けていると、だんだん雨が当たり前になってきて、いつもとは違う心理状態になりますね。修行僧のような謙虚な気持ちになるというか。できる作業も限られてくるのでもう諦めて休憩するとか、ちょっと違うかもしれないけど晴耕雨読的な感じで。そういうのって野外でやっている醍醐味でもあると思います。
雨が上がってくる時も徐々に開放感が広がるようになってきて、好きかな。匂いなんかも雨上がりが一番感じやすい気がします。
家の軒先で雨を眺めながらコーヒーを飲んだりするのも好きですね。何も考えないでぼーっとできるので。雨というレイヤーが自分と風景との間にできることで焦点がボヤける感じが好きです。焦点が合っているとしっかりしなきゃと思ってしまう。